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国地方係争処理委員会の判断を受けて

国地方係争処理委員会の判断を踏まえて、国と沖縄県の次の行動が注目されている。
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-307114.html
 
 地方自治法254条の14第2項は、「委員会は、・・・国の行政庁の行つた国の関与が違法でないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び当該国の行政庁に通知する」「当該国の行政庁の行つた国の関与が違法であると認めるときは、当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告する・・・」と定めている。
 今回、委員会は、国(国交大臣)による本件是正の指示が違法か違法でないかの判断を示さなかった。委員会は、判断を示さない理由について、「肯定又は否定のいずれかの判断をしたとしても、それが国と地方のあるべき関係を両者間に構築することに資するとは考えられない。」と述べている。そして、「国と沖縄県は、普天間飛行場の返還という共通の目標の実現に向けて真摯に協議し、双方がそれぞれ納得できる結果を導き出す努力をすることが、問題の解決に向けての最善の道」と指摘している。

 福岡高裁那覇支部の和解勧告に続いて、国地方係争処理委員会も、国と沖縄県に対し、法的な闘争ではなく協議によって問題を解決するよう求めた。その指摘は極めて重い。

 これに対し、菅官房長官は、沖縄県から取消訴訟を提起するべきであるとの考えを示している。しかし、このような指摘は全くの間違いである。
 すなわち、福岡高裁那覇支部で成立した和解条項によれば、沖縄県は、①委員会が是正の指示を違法でないと判断した場合、②委員会が是正の指示を違法と判断した場合に、その勧告に定められた期間内に国が勧告に応じた措置をとらないときは、取消訴訟を提起するとされている。今回、委員会は、是正の指示を違法とも違法でないとも判断していない。したがって、沖縄県が、福岡高裁那覇支部の和解に基づいて取消訴訟を提起する必要はない。
 和解によらずとも、「委員会の審査の結果又は勧告に不服があるとき」は、沖縄県は是正指示の取消訴訟を提起できる(地方自治法251条の5第1号)。しかし、委員会は、国及び沖縄県に対し、法的な闘争ではなく協議によって問題を解決するよう求めている。これは沖縄県のスタンスと同一である。つまり、沖縄県には委員会の審査の結果に不服はないのであるから、沖縄県から取消訴訟を提起する必要はない。もちろん、委員会が白黒付けなかった点を不服として沖縄県から取消訴訟を提起をすることも考えられるが、それは沖縄県が判断すれば良いことである。国から、「沖縄県から取消訴訟を提起すべき」などと指摘される筋合いはない。

 報道によると、国は、沖縄県が取消訴訟を提起しないなら国から違法確認訴訟を提起する方針とのことである。国は、福岡高裁那覇支部と国地方係争処理委員会の双方から、法的闘争ではなく協議による問題解決を求められたのに、ろくな協議もせずに再び法廷闘争をしようとしている。その強権的姿勢こそ、厳しく批判されるべきだ。
 国地方係争処理委員会は、「国と地方公共団体は、本来、適切な役割分担の下、協力関係を築きながら公益の維持・実現に努めるべきものであり、また、国と地方の双方に関係する施策を巡り、何が公益にかなった施策であるかについて双方の立場が対立するときは、両者が担う公益の最大化を目指して互いに十分協議し調整すべきものである。」とも指摘している。これは、国の「外交・防衛は国の専権事項」という主張を排斥し、沖縄県と協議を尽くせと指摘しているものと考えられる。
 国の強硬路線は、福岡高裁那覇支部に続いて、国地方係争処理委員会でも否定された。追い詰められているのは、国の方である。
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