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国対沖縄県の和解について

国が沖縄県を訴えていた代執行訴訟等2件の裁判で、3月4日、和解が成立した。
その内容は、沖縄県のHPにアップされている。
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/henoko/
最終的な和解条項もさることながら、1月29日に裁判所が提示した和解案の中身は大変注目すべきものであるから、ぜひ目を通して頂きたい。
和解の内容は繰り返し報道されているとおりである。工事が止まるという点で、県が単に代執行訴訟で勝ったよりもさらに県に有利な内容であり、県にとってみれば100点満点を上回る勝訴的和解である。

今回の和解については、その射程について議論がされている。いや、本来その射程は明らかなのだが、あえてそれを曲解しようとする人たちが政府・自民党の中にいる。

翁長知事は、3月8日の県議会で、和解の射程は「埋立承認取消」の是非に限られており、その他の知事権限には及ばないと答弁した。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=157660
本和解の当然の解釈である。まともな法律家が和解条項を読めば、当然そのように解釈する。

「問題にしたい人たち」が問題にしているのは、和解条項の第9項である。
9項は、国と県知事は、是正指示の取消訴訟判決確定後は、直ちに、判決に従い、その主文とそれを導く理由の主旨に沿った手続を実施するとともに、その後もその趣旨に従って互いに協力して誠実に対応するという内容である。
これをもって、是正指示の取消訴訟で県が敗訴したならば、県知事には全く対抗手段がなくなるかのような議論をする人たちが政府・自民党筋にいる。しかしこれは明らかなウソだ。

ここでいう「是正指示」とは、国が、県に対し、「『埋立承認取消』を取り消せ」というものだ。その取消訴訟とは、「『埋立承認取消を取り消せという国の是正指示』を取り消せ」というものだ。和解条項9項は、その判決の結論に誠実に従うことを確認しただけだ。
仮に、是正指示の取消訴訟で県が勝ち、国が負けた場合、翁長知事の埋立承認取消が正当であったと確定する。つまり、仲井眞前知事の埋立承認は完全に効力を喪失するので、国が埋立をすることはできなくなる。国にこれ以上とる手立てはなく、辺野古新基地建設はジ・エンドである。
他方、是正指示の取消訴訟で国が勝ち、県が負けた場合はどうか。
翁長知事の埋立承認取消が取り消されるので、仲井眞前知事の埋立承認が復活する。重大なことではあるが、それだけのことである。
埋立承認取消が取り消されたからといって、新たな問題が生じた場合に、埋立承認の撤回ができることは明らかだ。そうでないと、国は埋立の過程でどんな違法を犯しても取り締まりされないことになってしまう。
また、内容も分からない将来の設計変更の承認申請に対し、県知事がすべて承認しなければならないというのも、ばかげた話である。例えば環境に悪影響を与える設計変更申請があった場合には、当然県は厳格な審査を行い、承認するかどうかの判断をしなければならない。

法律家であれば、裁判所で和解をする際、その射程について疑義が生じないよう、和解条項にきちんと反映をしてもらう。
和解条項9項の文言から、将来にわたって埋立承認撤回ができなくなるとか、設計変更申請は承認しなければならなくなるとか、そのような結論を導くのは絶対に無理だ。

福岡高裁那覇支部は、和解案提示の際、「仮に本件訴訟で国が勝ったとしても、さらに今後、埋立承認の撤回がされたり、設計変更に伴う変更承認が必要となったりすることが予想され、延々と法廷闘争が続く可能性があり、それらでも勝ち続ける保証はない。むしろ、後者については、知事の広範な裁量が認められて敗訴するリスクは高い。」と指摘している。法律実務家であれば、誰しもがそう考える内容だと思うが、高等裁判所は明確にこの点を忠告した。

沖縄県知事と名護市長がぶれない限り、辺野古新基地は絶対にできない。
追い詰められているのは、国の方である。



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