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埋立承認取消目前

 今朝の報道によると、翁長知事は、10月13日にも仲井真前知事の埋立承認を取り消す方針だという。
 翁長知事誕生後、辺野古を巡っては様々な出来事があったが、埋立承認を取り消すがどうかは最大の焦点であった。埋立承認を取消すれば、沖縄防衛局による埋立の法的根拠が失われる。埋立承認の取消は辺野古新基地建設を止める切り札だと考えられていたからである。
 翁長知事誕生を支えた革新側の人たちは、翁長知事が少しでも早く承認取消することを願っていた。しかし、翁長知事は保守の人である。その手法はとても手堅く、時間がかかっている。沖縄県民には、県外移設を公約に掲げながら手のひらを返した仲井真前知事のトラウマがある。また裏切られるのではないか、と疑心暗鬼になるのも無理はない。
 翁長知事は、ゆっくりと、確実に、承認取消に向けて足を進めてきた。
 まず、翁長知事は、第三者委員会を立ち上げ、仲井真知事の埋立承認に瑕疵がないかを諮問した。その後の国との法廷闘争を考えれば、このような慎重な手続は必要であったと思う。
 翁長知事がさらに慎重にならざるを得なくなったのは、2015年3月、沖縄県が沖縄防衛局に対して岩礁破砕許可時の条件に基づく停止指示をしたのに対し、沖縄防衛局が農水大臣に審査請求と執行停止申立を行うという「禁じ手」を使ったからだ。
 沖縄防衛局の申立は、地方自治法255条の2第1号に基づいている。

  地方自治法255条の2
 他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、法定受託事務に係る処分又は不作為に不服のある者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に対して、行政不服審査法 による審査請求をすることができる。
一 都道府県知事その他の都道府県の執行機関の処分又は不作為 当該処分又は不作為に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣
 

 この法律には強い批判がある。法定受託事務は地方公共団体の事務であるため、国は地方公共団体の上級行政庁には当たらない。上級行政庁でもない国が、なぜ、地方公共団体の判断を覆せるのかという問題がある。
 これは、審査請求人が一般私人であったとしても生じる問題である。
 沖縄防衛局は、自分は一事業者(一般私人)であると称して、審査請求を行った。国の組織である沖縄防衛局が、沖縄県の判断を不服として、国の組織である農水省に審査請求と執行停止申立をしたのである。そして、農水大臣は、沖縄防衛局の主張を認め、あっという間に、沖縄県による「岩礁破砕許可時の条件に基づく停止指示」の効力を執行停止した。こんなことが認められれば、辺野古に限らず、国が事業者である事業は、国のやりたい放題であるが、辺野古ではそれがまかり通ってしまっている。三権分立と地方自治の完全否定である。

 これに味をしめた政府・沖縄防衛局は、翁長知事が公有水面埋立承認を取り消せば、同じように、今度は国土交通大臣に審査請求と執行停止申立をするであろう。そして、内閣の一員である国交大臣は、承認取消の効力の執行停止をあっという間に認めるであろう。つまり、埋立承認取消は、辺野古新基地建設を止める重要な一手ではあるが、これだけで建設を止めるとどめの一撃ではなり得なくなってしまったのである。
 今、翁長知事ら県執行部は、国がどんな手を使ってくるか、様々なシミュレーションをしているはずである。
 もし、埋立承認取消の手続に不備があれば、沖縄防衛局が国交大臣に審査請求をしたとき、国交大臣は真っ先に手続の不備を指摘し、埋立承認取消の効力を無にするであろう。そうなると、沖縄県は、第三者委員会を設けて慎重に検討した「埋立承認の瑕疵」の中身について、実質的な議論をする場すら失ってしまう。したがって、埋立承認取消までの手続は、慎重に慎重を期さざるを得ない。手続を慎重にしたいという心情は、弁護士としてとてもよく理解できる。
 また、翁長知事やその周辺は、国交大臣が埋立承認取消の効力を執行停止した後の手続についても考えているはずだ。
 翁長知事の歩みが遅いのを非難するのは簡単だ。しかし、翁長知事らは、国との間でものすごい闘いをしている最中だ。翁長知事が絶対ではないし、意見を述べることは必要であるが、支持者が足の引っ張り合いをするようなことは絶対にしてはならないと思う。
 翁長知事は13日頃にも埋立承認を取り消す方針だという。これまでの経過に照らし、これ以上の先送りはないと思われる。翁長知事がいよいよカードを切る。その後、圧倒的に国が有利な審査請求手続が始まると予想されるが、翁長知事ならば、沖縄のみならず本土の世論を味方に付けながら、したたかに戦ってくれるのではないかと思う。

植草一秀氏による翁長知事批判について

植草一秀氏が、ブログで翁長県知事批判を繰り返している。
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/
 私は、植草氏のブログは以前から時々拝読していて、経済に疎い私には、勉強になることが多々ある。ただ、昨年の県知事選から現在に至る沖縄問題についての発言には、首をかしげざるを得ない。

 植草氏は、翁長知事が仲井真前知事のした公有水面埋立承認を取消・撤回しないことを、繰り返し批判している。さらには、翁長知事が取消・撤回しない目的が、あたかも工事を進捗させるためであるかのような見出しまでつけている。これはうがった見方が過ぎるのではないか。

 そして、公有水面埋立承認の取消・撤回で、辺野古の問題が解決するような認識は、間違いと言わざるを得ない。
 もちろん、埋立承認の取消・撤回は重要で、私自身も、翁長知事が埋立承認を一刻も早く取り消すことを希望している。
 しかし、埋立承認の取消・撤回は、植草氏が言う「実効性・即効性がある唯一の方策」にはならない可能性がある。このことを見過ごすべきではない。
 というのは、岩礁破砕許可時の条件に基づく停止指示に対し、沖縄防衛局が農水大臣に審査請求したのと同じ手法が、埋立承認の取消・撤回でも使えてしまう可能性があるからだ。
 国(沖縄防衛局)が国(農水大臣)に対して審査請求できてしまう問題点については、先日のブログで指摘させて頂いた。
 そして、公有水面埋立法に基づく県知事の承認も、岩礁破砕許可と同じく、「法定受託事務」である。したがって、翁長知事が埋立承認を取消・撤回しても、沖縄防衛局が、今度は国交大臣に対し、審査請求と執行停止を申し立てる可能性が高い。そうすると、岩礁破砕の停止指示の時と同様、国交大臣の判断で、翁長知事のした取消・撤回の効力を無にされてしまう可能性が高い。
 岩礁破砕許可と、公有水面埋立承認では、根拠となる法令の構造が違うので、全く同様に同じ手が使えるかについては疑問があるが、少なくとも使えてしまう可能性がある。

 つまり、埋立承認取消・撤回だけでは、工事を停止させることができない可能性が高い。

 植草氏は、5月4日付けのブログでも、県知事が承認を取消・撤回すれば、「国は法廷闘争に持ち込むと予想されるが、知事権限で埋め立て承認を撤回することにより、辺野古米軍基地建設をまずはストップさせることが可能になると考えられる」と述べている。
 正直申し上げると、私も、岩礁破砕の停止指示問題が起きるまでは、そう考えていた。
 しかし、翁長知事の岩礁破砕の停止指示に対し、国(沖縄防衛局)は、行政不服審査法に基づく審査請求・執行停止という裏技を使ってきた。恥ずかしながら、私には予見できていなかった。そして、同じ手が埋立承認の取消・撤回にも使えてしまう可能性が高い。そうである以上、埋立承認を取消・撤回したその後のシナリオを、一から考え直す必要がある。承認取消・撤回は、重要なことではあるが、「実効性・即効性がある唯一の方策」と位置づけることは、現時点ではできない。

 繰り返しになるが、それでも埋立承認を取消・撤回することは重要で、私もそれを願っている。
 しかし、翁長知事は、埋立承認を取消・撤回しても、沖縄防衛局が国交大臣に審査請求をしてくる可能性があり、国交大臣の判断で取消・撤回の効力が無にされてしまう可能性を考えて、さらに次の手を考えなければいけないし、考えているはずだと私は信じる。

これは三権分立と地方自治の完全否定だ

沖縄県が、沖縄防衛局に対し、岩礁破砕許可時の条件に基づく停止指示をしたのに対し、沖縄防衛局は、農水大臣に審査請求を行った。これに対し、沖縄県知事が、防衛局の審査請求は不適法との意見書を農水省に提出した。
辺野古「岩礁破砕は明白」知事、農水省に意見書

今回の手続きは論点が様々あり、いずれも防衛局の不当性は明らかだと思うが、辺野古に限らず、一般的に見てもゆゆしき問題がある。
今回の手続きは、はっきりいって、三権分立と地方自治の完全否定である。法的に難しい話が含まれているが、問題を指摘しておきたい。

今回の防衛局の申立は、地方自治法255条の2第1号に基づいている。(いわゆる「裁定的関与」)
第255条の2
他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、法定受託事務に係る処分又は不作為に不服のある者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に対して、行政不服審査法 による審査請求をすることができる。
一 都道府県知事その他の都道府県の執行機関の処分又は不作為 当該処分又は不作為に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣

実は、この法律自体、批判が強い。法定受託事務は、地方公共団体の事務であるため、国は地方公共団体の上級行政庁には当たらない。上級行政庁でもない国が、なぜ、地方公共団体の判断を覆せるのか?という問題があり、批判的な行政法学者も多い。
要するに、審査請求人が一般私人であったとしても、地方公共団体の判断を、上級行政庁でもない国が覆すことができてしまうという問題がある。これは、国と地方との役割分担に反する。
しかも、この場合、国と地方公共団体との間の係争処理等を定めた条文が適用除外されている。また、行政不服審査法上も、処分庁(この場合沖縄県)からの取消訴訟などが規定されていない。つまり、条文を文字どおりに読むなら、県が裁判所の判断を仰ぐ手段がない可能性がある。
これはおかしいということで、訴訟ができると主張する学者もいるが、少なくとも条文上は手続きが明記されていない。

以上は、審査請求人が一般私人であったとしても生じる問題である。

今回は、沖縄防衛局は、自分は一事業者(一私人)であると称して、審査請求を行っている。
国の組織である沖縄防衛局が、沖縄県の判断を不服として、国の組織である農水省に審査請求をしているのである。
そして、農水大臣が、防衛局の審査請求を認め、沖縄県の停止指示を取り消した場合、条文だけを見る限り、地方公共団体と国との紛争調整を定める規定が使えず、かつ、沖縄県が裁判所へ訴えて是正を求めることもできない可能性がある。

こんなことを認めれば、辺野古に限らず、国が事業者である事業は、国のやりたい放題ではないか。
地方公共団体の権限を全否定し、裁判所の関与も否定するならば、三権分立と地方自治の完全否定だ。
こんなことが許されていいのだろうか?

地方自治法255条の2が引用する行政不服審査法は、「行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによつて、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。 」法律である(第1条)。

国が行政不服審査法に基づく手続きを利用することなど、法は予定していないし、むしろ、認められないと解釈するべきだ。

沖縄防衛局の審査請求は、絶対に認められるべきでない。

不当逮捕

あまりに不当な身体拘束だ。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=104194

山城さんは、文字通り、現場のリーダーだ。
山城さんは、このとき、キャンプシュワブゲート前の提供区域を示すライン付近で、集まっていた市民に「もう少し下がろう」と確認していたところを、米軍のセキュリティに拘束されたという。
もう一人の男性は、山城さんを助けようとし、もみ合いになって倒れたところを、米軍のセキュリティに拘束されたようだ。
そして、二人は、基地内に連れ込まれ、そこで米軍人に後ろ手に手錠をかけられたという。
その約3時間後、二人は名護署に引き渡された。
逮捕理由は、刑事特別法違反とのこと。

ゲート前のライン付近は、これまで誰もが普通に行き来できる場所だった。逮捕された二人は、ゲートを突破したわけでも、フェンスを乗り越えたわけでもない。また、警告されて退去しなかったわけでもない。これまで普通に行き来できていたゲート前のライン付近にいただけだ。
このような二人を、刑事特別法で検挙するのは、極めて無理筋だ。

今日は、午後1時から、キャンプシュワブゲート前で、県民集会が予定されていた。
米軍は、この日このタイミングで、現場のリーダー山城さんを突然拘束した。運動の萎縮を目的とした狙い撃ちとしか考えられない。
逮捕権限を持たないはずの米軍が、2人に手錠をかけて拘束した法的根拠も定かでない。
また、米軍から2人を引き渡された県警が、唯々諾々と米軍に従うのも許しがたい。不当な身体拘束であることは明らかだから、即時に釈放すべきだ。

2人の早期釈放を勝ち取るべく、全力を尽くします。


辺野古アセス訴訟・最高裁決定に対する声明

辺野古・環境影響評価手続やり直し義務確認等請求訴訟の
上告棄却・不受理決定に対する抗議声明

 名護市辺野古への普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価手続(環境アセス)について周辺住民等が手続のやり直し義務ないし違法性の確認及び損害賠償を求めていた訴訟の上告審で、最高裁判所は、2014年12月9日、上告の棄却と、上告受理申立の不受理を決定した。

 本決定は、法廷を開くことのないまま、憲法違反等の上告理由はなく、法令解釈に関する重要な事項を含み最高裁で受理すべきものとは認められないとして、住民らの訴えを門前払いしたものである。
第一審那覇地方裁判決及び控訴審福岡高等裁判所那覇支部判決は、いずれも、環境影響評価手続における国民の意見陳述権は、個別具体的な権利ではなく、法律上保護された利益にも当たらないとして、意見陳述権が侵害されたことを理由とする請求は認められない、と判示するもので、極めて不当な判決であった。最高裁は、住民らの上告・上告受理申立を門前払いし、結果的に控訴審判決を維持したものであり、不当な決定であるといわなければならない。
一連の判決・決定は、環境影響評価の名にも値しない手続が行われても、司法はこれを何らコントロールできない、ということを表明するものであり、環境影響評価手続制度を徹底的に無意味にするものである。司法の任務の放棄と断ぜざるを得ない。

 ただし、今回の最高裁決定により維持された控訴審判決は、訴えの利益が問題とされたものであり、辺野古の環境影響評価手続を適法と判断したものではないことは、これまで繰り返し指摘してきたとおりである。

国は、2013年3月22日、沖縄県民の民意を無視して公有水面埋立承認申請を行い、同年12月27日、仲井真沖縄県知事は公約に反してこれを承認した。仲井真知事は、自ら「環境の保全上重大な問題がある」と指摘し、「移設案を実現することは事実上不可能」とする意見書を提出した環境影響評価手続を無視して、公有水面埋立承認を行った。
 仲井真知事の埋立承認を受け、住民らは、那覇地方裁判所に、承認処分の取消訴訟を提起し、現在係属中である。
 そして、埋立承認をした仲井真知事は、2014年11月16日の沖縄県知事選で、県民の審判を受け、県知事の座を去ることとなった。
 同年12月10日、県知事選で圧勝した翁長新知事が着任した。翁長新知事は、仲井真知事による埋立承認に法的瑕疵がないかを検証し、瑕疵があればこれを取り消すことができると述べている。
 今回の最高裁判決は、これら承認処分取消訴訟や、翁長新知事による検証作業には何ら影響を与えるものではない。むしろ、環境影響評価手続の過程で住民らが意見を述べる機会が権利として保障されていないのであれば、尚更、埋立承認処分を事後的に正す機会が保障される必要がある。また、県民の負託を受けた新知事が、過去の行政処分を検証し、瑕疵があれば取り消せることも当然である。

 沖縄県民は既に過剰な基地負担を被っており、これ以上の基地負担は受け入れがたい。その民意は、沖縄県知事選でもはっきりと示された。
 国は、辺野古への普天間飛行場代替施設の建設を断念すべきである。

2014年12月11日
辺野古・違法アセス訴訟原告団
団長  安次富 浩
辺野古・違法アセス訴訟弁護団
団長  三宅 俊司

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=94299
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